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Seraphic Blue-ジュヴナイルさんを探して- 31

ドリスから語られる、ドリスの過去
母親はドリスを責めます。ドリスが知恵遅れなせいで出費がかさんでブランド物のバッグも買えない。お前と同い年の近所の子は有名な語学学校に入学することになったのに比べて、お前と来たら…。
「ゴメン…なさい…」ドリスは、ただただ謝る事しか出来ませんでした。
「ああ、もう止めて!聞きたくもない!お前がそんな子供みたいな話し方するから、何時も近所で肩身が狭いのよ!私だけが格下なのよ!お前の所為で!
「ゴメンなさい…生まれて来て、ゴメンなさい…」
「本当よ…!お前が私の人生を全て食い潰して行くのが分かるわ…!いっそお前をこの手で殺して…!
「やめて…!ママ…!やめてーーーェェェェェッ!!!!
ドリスが叫ぶと、母親は向こう側の壁まで吹っ飛ばされてしまいました
「何が…起きたの…?若しかして…ドリスの魔力…?凄い力…天才だわ…。そうよ…!その手を使えば…!ヒヒッ…!ヒーーーッヒヒヒヒヒヒッ!!!!
…その後、ドリスの家にアカデミーの使者がやってきました
ドリスには極めて強い魔力が潜在しており、国内最高峰で在るフェジテ魔法アカデミーに於いてさえ屈指、正に天才の名に相応しい物だと言います。サヴァン症候群の一種として、遅発性ディスピス由来の精神障害の対価として覚醒したのだろうと…。
そして、ドリスをSクラス特待生及び幹部候補としてスカウトしたいと…契約期間内の彼女の生活資金は、返還義務無しの国の助成金に依って保証されるのだと言います。つまり、アカデミーが養子に頂くようなもの…だそうです。
また優秀な人材提供という事で、本人及び御両親に同額の礼金と契約金が、国から支払われる…という説明の後、アカデミーの使者は「スカウトに応じて頂けますか?」と言いました。
「ええ。御互い離れ離れに成るのは寂しいけれど、これでドリスの未来がひらけるのだから。ねえ、ドリス?
…母親、白々しいにも程があります。
「うん…。みんなが、シアワセになれるから」
さらにドリスは、契約金の全てを母親に譲渡すると言いました。
「うん…。カンシャのきもち…。イマまでソダててくれたママに…」
「それでは譲渡を認めます。それにしても、本当に良く出来た素晴らしい御子さんで
「ええ。それはもう。私の誇りですよ

…こうしてアカデミーに行ったものの、アカデミーの生徒の反応は冷たいものでした。
知障のくせに、此処はエリートが来る所なのに、あんなのと一緒にしないで、俺達Aクラスより上って嘘でしょ?…あいつ、シメちゃおうか?
…そんな中、ヴェーネがドリスに声をかけました
「何時も…。独りなのね…」
「だって、みんなワタシのコトきらいだから…」
「貴女は…此処に居て良いのよ。彼らはドリスのような天才とは違う、中途半端なエリート。だから天才であるドリスに嫉妬する…すればする程に自分の負けを刻む事を、知ってか知らずか。だから、気に掛ける事は無い。そんな先行き暗い連中など相手にせず、自分の高みを歩けば良い。ドリスには、明るい未来が在るのだから
「それって、どんなミライ?」
「そうね…。敢えて一言で言うのなら…少なくとも塵には成らずに済む、と」

…ある日、ドリスは3人の生徒からいじめを受けていました
その内容は、ここには書けないほど酷いものでした…。
そして、その結果が以下の通りです。

ドリス・シュテンダルの魔力暴発事故に関する報告書
現場:
 西地区第2号校舎脇の物陰
当事者:
 ・Sクラス学生 ドリス・シュテンダル
 ・Aクラス学生3名
経緯:
 Aクラス学生3名がドリスに対して極めて悪辣な精神的圧力を掛け、これに依りドリスの魔力が暴発した。
結果:
 Aクラス学生3名が即死(完全消滅)
 ドリスに於いては外傷無し。但し精神にダメージを負った為、直ちに掛かり付けのカウンセラーに依るケアを行った。
処分:
 Aクラス学生3名を、重度規則違反及び暴行未遂に依り本人死亡のまま退学処分
 またドリスに関してはアカデミー規約に依って一切の過失は無し。精神が回復次第、通常の生活に復帰する。

「もう大丈夫なのか、ドリス?」学長はドリスを心配しているようでした。
「うん…」
「学長。今回の件は…」
「うむ。このフェジテ魔法アカデミーは国内最高峰、才能溢れる者達の集う場所だ。しかし多くは10代の若人達、その溢れる才能を完全な自身の制御下に置いている者は少ない。故に、時として自分の魔力を制御し切れず、魔力暴発という事故が起こる。だからこそ、我がアカデミーにはこの様な規約が設けられている
魔力暴発を未然に防ぐ為、全ての学生の精神を意図的に圧迫する事を固く禁ずる
またこれに違反して事故が発生した場合、その事故責任は圧迫者に付され、暴発者とアカデミーは一切の責任を負わないものとする。
「調査の結果、今回の件はこの規約に該当する物で在ると認定された。依ってドリス。君に一切の責任は無い。今後も変わらず学業に励んで呉れ給え」
「分かり…ました…」
「如何したの…?何だか元気が無いけれど…」
「やはりまだケアが不十分だったか?ならば無理して復帰する事は無いぞ。傷を癒す事に専念するべきだ」
「そうじゃない…。だってワタシ…ヒトをコロしちゃった…
「ドリス、君は優しい子だ」
「でもドリス、貴女は何も悪くないのよ。彼らは言ってみれば、ダイナマイトに勝手に火の粉を振り掛けて、そして勝手に自爆して死んだだけ。貴女は誰も殺してはいない
「なんか、ウソっぽい…」
「嘘ではないとも。この世には踏み込んではならぬ領域が存在し、其処に踏み込んだ彼らに罰が下された。そして君は偶然に、彼らに罰を与える執行者として選ばれた。それだけの事だ」
「でもコロすコトなんか…」
「良いのよ、ドリス。あんなテロリズムの糞餓鬼が数名死んだ所で、然したる損失ではないわ。貴女は一切の罪を問われず、今後その力の行使を憚る必要も無い。全ては過ぎ去り、終わった事。此処からは気持ちを新たに、今までと何も変わらぬ日々を始めるのよ。分かった?」
「……。分かった…」
「しかしながら今回の件は、既に学内中に知れ渡る所と成ってしまった。何れにせよ、"心無い言葉"でドリスを謗る者は少なからず出て来るだろう。ならばヴェーネ、君はドリスと最も親しい人間だとカウンセラーから聞いているが…」
「ええ、その点は。ドリスは、私が守ります

「おネエちゃん、ここで暮らしてるの?」
「一応はね。平日は寮内の"特別室"に寝泊りして、週末は帰るの」
「おウチ、どこなの?」
「郊外に在るC.M.G.C.居住施設。正確に言えば、家ではないのだけれど」
「それじゃあ、おネエちゃんもおウチが無いの?ワタシとおんなじ…」
「そうね。最初から持っていないか、中途より失うかの相違も在るけれど。私には、帰るべき所なんて、何処にも無い。敢えて一つだけ留保するとすれば、オーグ以外には
「オーグ?」
「C.M.G.C.と犬猿の仲の民間組織。ガイアキャンサーと戦っているの」
「じゃあおネエちゃんは、オーグにはいりたいの?」
「そうじゃないわ。"彼"の元に行きたいのよ。私の前世<パーソン>の魂の残響。美しく温かく、悲しく冷たい、人の情感。私の意志というよりは寧ろ"彼女"の意志なのかも知れないけれど…。私はオーグへ赴きたい。そしてグラウンドに赴いて、姿形の変わり切った"あの子"に会いたい。その気持ちが、今の私の唯一の生存理由
「ふぅん…。ナンだかムズカしいよ…」
ドリスは、帰りたい場所は在る?失ってしまった代わりの、新しいお家にしたい場所は在る?」
「ワタシは…」

ドリスの魔力暴発事故の噂は広まり、アカデミーの生徒の反応は更に厳しいものになっていました。
あの人殺し、知的障害者なんだって…何か眼が合ったら行き成り言い寄られて、そのままブッ殺されんじゃねえか?近付かねえ方が良いって。

「ワタシは…おネエちゃんとイッショに居たい。おネエちゃんが、ワタシのおウチ
「そう…。有難う…。けれどね、ドリス。出来るだけ早く、私以外のお家も見付けてね
「どうして?」
「私は…誰かの寄る辺、家に成れる様な…そんな真っ当な人生を歩める人間じゃないのよ
それからしばらくして、おネエちゃんはアカデミーに来なくなった…
「ヴェーネおネエちゃんが、オーグに…?」
ドリスは学長から、ヴェーネが居住施設からオーグに拉致されたことを聞かされました。
「天使王都アニタの郊外に在るC.M.G.C.居住施設ミネルヴァ。君も一緒に行った事が在るだろう。事件の少し後、モーガン"前"委員長から私に直々の連絡が在った」
※『天使王都アニタ』なのは、まだミネルヴァが女王になる前の話だからです。アニタは先代女王の名前。
「そう…」
「ヴェーネは君の唯一の友人で在ったからな。その意味では非常に残念な結果だ。だが案ずる事は無い。この私は常に君の味方だ。今後の生活で"理不尽な不便"が在った場合は、独りで抱え込まず私に言いなさい。必ずや"善処"しよう
「ありがとう…。でも…。これは、ザンネンなケッカじゃない…だっておネエちゃん、おウチにカエれたんだから。ユアンっていうヒトのところ」
"片翼"と"片翼"が手を取り合った。私個人としては、これが最良だと思う。ところでドリス。君は嘗て契約金を全額母親に譲渡したそうだな?君の御母さんが、この前王都に来ていたらしい。人気ブランドの最新モデルの服に身を包んでな」
…母親、クズ過ぎてどうしようもないですね。
ドリス。君は優し過ぎる。不幸にもそれが人を腐らせ、引き換えに君自身をも壊している。だから私は、君の無限の才能に依らずとも、君を放ってはおけないのだよ。もっと利己的に成りなさい。もっと声を上げなさい。君の思う自らの幸せを、他人に見える形で描いてみなさい。私から君への、ちょっとした課題だ。期限も無ければ、レポートの必要も無いがね」

…それから2年。
ドリスは、相変わらずアカデミーの生徒から冷遇されていました。
さっさと居なくなっちまえ、これで別の場所に行っても多分同じだよな、何処に行っても邪魔者にしか成れない奴、それってもう死ぬしか無くねェ?て言うかさっさと死ねって感じ、生きてる限りウザいんだから。

ある日、ドリスはアカデミーの外で魔法の練習をする女の子に出会いました。
「あなた、アカデミーのガクセイなの?ショトウガクブとか…」
「ううん、違うよ。でもいつかここに入りたいの。うーん…えいっ!」
「ただシュウチュウするだけじゃダメなの。ジブンのチカラをしんじて、そのチカラがわき上がって来るイメージ」
そう言って、ドリスは魔法を発動させました。
「ハジめはよく分からないけど、レンシュウすれば、きっと身に付くから…」
お姉ちゃん、すごーい!私、たっくさん練習して、お姉ちゃんみたいになるね!」
「だめ…。ワタシみたいになっちゃダメ…
そんな時、女の子の母親がやってきました。
「ちょっと、何やってるのよ…!あの人はね、とっても危ない人なのよ。だから二度と近付いちゃ駄目。分かった?」
「そうかなぁ…。ちっともそんな風に見えなかったよ…?何だか、さみしそうだった…
「気の所為よ。そんな感情なんて在る訳無いわ。さあ、先にパパのところい行ってなさい」
「はぁーい。お姉ちゃん、また魔法教えてね!
…女の子が向こうへ行くと、その母親がドリスに厳しく言いました。
知ってるわよ。例の人殺しでしょう?まったく、何でこんな危ないモノが未だに留まってるのか知れたもんじゃないわ。さっさと消えてしまえば、皆安心して生活出来るでしょうに。貴女の母親も可哀想な事。こんな"爆弾"を子供に持ってしまうなんて。兎に角、二度と娘に近寄らないで。そして娘が無事に入学出来た暁には、貴女が既に此処から消えていることを希望するわ。それが当たり前なのよ」
言いたいだけ言って、女の子の母親は立ち去りました。
「ぐすっ…ひぐっ…。ごめんなさい…ゴメンなさい…!おネエちゃん…ワタシ、ドコに行けばいいの…?
…ドリスは泣きながら、ヴェーネとの会話を思い出します。
帰りたい場所は在る?…おネエちゃんとイッショに居たい。おネエちゃんが、ワタシのおウチ。敢えて一つだけ……すれば……以外には。……オーグ……。……グラウンド……姿形の……"あの子"……。
…そして、学長の言葉も。
ドリス。君は優し過ぎる。もっと利己的に成りなさい。もっと声を上げなさい。君の思う自らの幸せを、他人に見える形で描いてみなさい。

逢いたい…。おネエちゃんに、逢いたい…!

そして今に至るという事で、今回はここまで。
次回はドリスに対するヤンシーの考えと、オーグで待っていた二人組との合流、かも…?

テーマ : フリーゲーム
ジャンル : ゲーム

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Author:メリィ
ぷよ魔導のシェゾとウィッチ、東方の水橋パルスィが大好きです。
Seraphic Blueでは、牧師さんと魔法少女と開発主任二人組が大好きです。

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りょ様経由で知り合った、ナルさんのブログです。
ゲームの感想がメインのようで、現在はDQ3の旅日記を更新中です。


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